入選 間口知美
〇目が合うと必ずにっこりしてくれるその度ごとに元気をもらう
(講評)実習中に不安になったり疲れたりしたが、毎日作者と目が合うと笑ってくれる利用者がいた。その優しい眼差しは慈愛に満ちていた。
入選 石川順一
〇朝顔は野生の地にもたくましく紺色の花人に見せつけ
(講評)朝顔に対する叙情を示し、雑草の中に咲くたくましさを写実した。
佳作 須田悦世
〇母の日に贈る言葉「ありがとう」照れくさいけど心を込めて
(講評)恥ずかしがりで、愛情表現がうまくできない人が多い。「照れくさいけど心を込めて」とある実直さが快い。
佳作 倉田陽介
〇いつからか、向き合うことを恐れては素直になれず後悔ばかり
(講評)人間どう強がってみても、一人では何もできない。心の内面を吐露することで、自分の弱さと向き合っている。
佳作 古賀美貴子
〇母語るさっきも聞いたその話し加齢のせいか病気のせいか
(講評)人間、あるがままに生きればよいのだが、介護者にとってはそうもいっていられない。母を気遣う娘の思いが伝わってくる。病や老いは誰にとっても他人事ではないのだ。
以上、選評 土永典明