2008年11月6日木曜日

平成20年11月

入選   高山真生

〇故郷ののどかな景色見るたびになぜか落ち着くいつもの自分

(講評)故郷の四季の変化を楽しみ、ささやかに生きる作者の心の豊かさを感じる。

入選   渡邉彩

〇家のまわりいつも見ていて気付かない足元に咲くたんぽぽの花

(講評)何気ない情景だが、結句の「たんぽぽの花」に温もりを覚えた。

入選   岡村恵里

〇描こうかあの海あの山あの稲穂けれど絵の具では表せない

(講評)自然の景色を一枚のキャンバスに描こうとするが、千変万化の自然の光景をとらえることができなかったのであろう。

入選   川崎恵

〇稲穂垂れ登校道が金色に少し楽しむ学校帰り

(講評)かすかに主情をうかがわせながらの描写力を感じた。

入選   石川順一

〇食品の安全神話を揺るがせるニュースを聞けば一夜の長さよ

(講評)賞味期限の日付改ざん、産地偽装、食品の使い回しなど、食の安全性が問われ生活が脅かされている。糺されなければならないことの何と多いことか。

入選   希弥

〇悩んでも助けられてるその言葉「あなたにはいつも私がついてる」

(講評)すがすがしい空気のただよいを感じる。友達の心配りが嬉しかったのであろう。

佳作   永井沙織

〇いつだって少しの変化気付いてるあなたの言葉は私の癒し

(講評)「あなた」と言葉を交わすことで、ふと触れた優しさ。

佳作   小出有香

〇夜になり灯りないけど明るいよ星がとっても輝いてるよ

(講評)星が夜空のキャンバスにちりばめられている。外連味のない美しさに魅せられて、味のある歌となった。

佳作   小林綾子

〇いつまでも変わらずいてねおばあちゃん明日も笑顔がみたいと願う

(講評)悲しかったことも、苦しかったことも忘れたように、笑顔を絶やさない老婆であった。

佳作   小林美菜子

〇介護はね力まなくてもいいんだよ少し手伝うだけなのだから

(講評)介護される身にとって一日は長いことだろう。介護者は、少しギアをダウンさせることで利用者と水平になれるものである。

佳作   佐藤奈津佳

〇晴れた日は遠くの海に島見える今頃家族何してるかな

(講評)一人暮らしをして思うことは、佐渡にいる家族のことである。家族に対する、忘れてはならない感謝の気持ちの声が聞こえてくる。

以上、選評   土永典明
◇10月18日(土)・19日(日)は新潟青陵大学/新潟青陵大学短期大学部の青空祭でした。地域交流作品展として、4115教室に絵画や陶芸、写真とともに短歌をしたためた色紙を展示しました。地域の皆さんにも、文化的な活動を知っていただく良い機会になりました。