入選 倉田陽介
〇何をするやりたいことも分からずに戸惑いながら答えを探す
(講評)学生生活も就職するまでのタイムリミットに差し掛かった。就職を一般企業にするか介護にするか作者は随分迷った。その決断に要する時間の流れをうまくとらえている。
入選 庭野瞳
〇久々に家に帰ると聞こえくる家中広がる温かな声
(講評)久し振りに故郷に戻ったとき、家族の団らんが懐かしくもあり嬉しかった作者である。
入選 山辺密蜂
〇やがて来る落ち葉の時わが身にも生きた証は何も残らず
(講評)再度、闘病生活を続けておられる作者である。「落ち葉の時」で作者の心の動きが端的に表現されている。ご回復をお祈りいたします。
入選 希弥
〇気がつけば与えるはずの微笑みを貰っていたんだあなたにいつも
(講評)作者にとって初めての看護実習。看護師と患者との川の流れに添うような人間関係。無力感を感じたが、お互いによい思い出となる実習ができたようである。
入選 古賀美貴子
〇看護師とケアマネジャー仕事でも別れの時は考えず来る
(講評)看護師兼ケアマネジャーとして勤務されている作者である。在宅のターミナルケアで亡くなった利用者を思い浮かべながら、その実感が伝わってくる。
佳作 石川順一
〇朝食のサンドイッチはどうしてもサンドウイッチと言いたくなりて
(講評)外来語を使って、ちょっととぼけた味のある作品である。
佳作 堀井雅之
〇「ありがとう」その一言が嬉しくてだから目指すよ介護福祉士
(講評)人との接し方は多種多様だが、まずは相手を思いやることが大切である。
佳作 上田亮太
〇実習で学んだ多くの事だけが自分にとっての大きな自信
(講評)月日が経つと介護実習での悲喜の記憶は、楽しくやりがいのあるものとなった。
以下、選評 土永典明
◇新年のお慶びを申し上げます。寒さはまだまだこれからと、気を引き締めているところでございます。
さて、「平成20年度 NHK介護百人一首」に、新潟青陵短歌会からは2名入選しました。新潟青陵大学短期大学部人間総合学科介護福祉コース2年の増井美佳さんと、同1年の小柳知栄美さんです。7,495首の中から選定された歌を紹介します。なお、NHK福祉ネットワークスペシャル「NHK 介護百人一首」2009作品紹介(NHK福祉キャンペーン ハート・プロジエクト)に掲載されています。2月14日にNHKふれあいホールで公開録画とパネル展示があります。
◎ 増井美佳
声帯を無くした祖父と会話する私が介護を選んだ理由
◎小柳知栄美
「看護師さん」そばを通るといつも呼ぶあなたの前だけ看護師です