2013年5月24日金曜日

平成25年 6月

入選   苅部夏海

〇大声で鼻歌うたい上機嫌ふと見上げれば窓開いており

(講評)予想もしていなかった窓の全開。読むと思わず笑ってしまう、ユーモアのある歌。

入選   和田あかり

〇弁当の中身にいつも一工夫母の愛情パワーにかえる

(講評)実習中は特に弁当の副食に気を配ってくれる母親。この弁当で一日、実習を乗り越えられる。

入選   岡本大地

〇十九歳子ども扱い嫌だけど大人なんかになりたくはない

(講評)一首全体から発する若々しい勢いが気持ちよく伝わってくる。


以上、選評   土永典明

平成25年 5月

入選   伊倉瑠瞳

〇「ありがとう」面と向かって言えないが母の日だけは素直になろう

(講評)本学入学時より、アパートで一人暮らしをしている作者。親元を離れてみて親のありがたみがわかり、母の日に言葉にしてみた。

入選   苅部夏海

〇歩行器についた鈴の音歩むたびちりちり揺れる頼りなさげに

(講評)作者の実習でのなんでもない事柄を、こうして意識下において見ている。観察眼が素晴らしい。

入選   高野麻優

〇春の朝目覚ましなしで目を開ける澄んだ天気と鳥のさえずり

(講評)春になるにつれて暖かくなり、鳥の鳴き声で目覚めのいい朝を迎えさせてくれる。一度読んだだけで場面が見えてくる印象的な歌。


以上、選評   土永典明