入選 三浦加奈子
〇帰り際寝床の祖母の手を握りまた来るからと強く念押す
(講評)作者は祖母の回復を祈る思いをもって手を握ったのであろう。
入選 渡邉彩
〇「ありがとう」横を通ると手を合わせ拝んでくれる利用者さん
(講評)下句の「拝んでくれる利用者さん」の描写には、実習施設の利用者(高齢者)を労る作者の心情をおぼえる。
入選 池田明美
〇利用者の笑顔を見るたび思い出す介護を目指した本当の理由
(講評)結句の視点の確かさが、この歌の印象を鮮明にしている。
入選 高橋かなえ
〇おしぼりの数だけ言われた「ありがとう」利用者の言葉心に染みた
(講評)作者の嬉しい心情を吐露することで、実習施設の利用者との和やかな様子が響いている。
以上、選評 土永典明
2009年3月2日月曜日
平成21年 3月
入選 三浦加奈子
〇じわじわと祖母の背後に迫る影何もできない我が身を責める
(講評)作者が幼い頃、認知症になった祖母のことを詠った。作者をいつも可愛がってくれた祖母の豹変ぶりに驚くとともに、当時何もできなかった自分の無力さと悔しさを綴った。「何もできない」に寂しい情感がある。
入選 松尾幸恵
〇実習で毎日喋るおばあちゃんだけど今日も初めまして
(講評)数時間経過すると記憶をなくしている認知症の利用者(高齢者)に、向き合っている作者である。「初めまして」の組み合わせが、たいへん効果的である。
入選 寺田理恵
〇何一つうまくできない私にも向けてくれたねあなたの笑顔
(講評)実習先の利用者の学生に対する労りの眼差しであろう。作者にとって、感謝の気持ちで過ごせた1日となった。
入選 高橋かなえ
〇入浴後普段と違う表情で「いい湯だった」と笑顔をくれた
(講評)実習先で利用者の入浴介助をしている時に詠った。「いい湯だった」の表現が、入浴後の爽快さを物語っている。
以上、選評 土永典明
〇じわじわと祖母の背後に迫る影何もできない我が身を責める
(講評)作者が幼い頃、認知症になった祖母のことを詠った。作者をいつも可愛がってくれた祖母の豹変ぶりに驚くとともに、当時何もできなかった自分の無力さと悔しさを綴った。「何もできない」に寂しい情感がある。
入選 松尾幸恵
〇実習で毎日喋るおばあちゃんだけど今日も初めまして
(講評)数時間経過すると記憶をなくしている認知症の利用者(高齢者)に、向き合っている作者である。「初めまして」の組み合わせが、たいへん効果的である。
入選 寺田理恵
〇何一つうまくできない私にも向けてくれたねあなたの笑顔
(講評)実習先の利用者の学生に対する労りの眼差しであろう。作者にとって、感謝の気持ちで過ごせた1日となった。
入選 高橋かなえ
〇入浴後普段と違う表情で「いい湯だった」と笑顔をくれた
(講評)実習先で利用者の入浴介助をしている時に詠った。「いい湯だった」の表現が、入浴後の爽快さを物語っている。
以上、選評 土永典明
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