2010年8月8日日曜日

平成22年 8月

入選   小林幸子

〇手をつなぎ守ってくれたおばあちゃん次は私に手をつながせて

(講評)筆者が幼い頃より道路を渡るときには、手をつないで守ってくれた祖母。現在は祖母のほうが車にひかれそうになり、ひやひやしている筆者である。この歌からは祖母を労る孫の優しさが伝わってくる。

入選   菅原美保

〇利用者は同い年の男の子愛情込めてだっこをした

(講評)重症心身障害児施設での実習体験を詠っている。このスキンシップの実践は、利用者を受容するために自然と出たところがよい。

入選   早川千夏

〇小さな手なのにとっても温かい命の重みここで知る

(講評)重症心身障害児施設での実習体験を詠っている。障害のため発語ができない子ども。しかし、手をつないだときに、この子が一生懸命に生きようとしている様子が筆者に伝わってきたのである。

入選   山本大祐

〇「お兄ちゃんトイレ連れてって!」そう呼ばれ5分ごとにトイレへ向かう

(講評)身体障害者療護施設での実習体験を詠っている。5分ごとに利用者に呼ばれトイレ誘導する筆者である。利用者に対して徹底受容と理解を基礎において、じっくり関わることも大切である。この歌から、利用者が自分の存在を大切にしてくれる人を求めていることが理解できる。

以上、選評   土永典明