入選 金岡春香
〇掌を見せ合うだけで笑顔咲く繰り返しでない介護の仕事
(講評)利用者との会話の中で、普段何気なく感じていることをこのように表現すると、ああそうだったと気づかされることが多いものである。
入選 品田麻衣
〇灰色に曇る気持ちを晴らすのは無垢で優しい笑みの温もり
(講評)灰色の感覚的把握はよい。下句の表現で「無垢で優しい笑みの温もり」がうまく強められ、この一首は、深く心にしみ入る歌になっている。
入選 菅原美保
〇「ありがとう!」今日も言われたこの言葉自信がつくよこれから先の
(講評)介護福祉実習で辛いことがあっても、利用者から毎日「ありがとう」と言われ続け、そのことで自分の将来をも見据えた作者であった。
入選 石川順一
〇残雪の雫の音が終日(ひねもす)し不安定期を脱しつつある
(講評)季節の移ろいを、その気温の変化に対して敏感に反応している。厳しい冬がその厳しき状況から抜け出す予感を鮮明に表現している。
以下、選評 土永典明
◇この度の東北地方太平洋沖地震の被害にあわれたみなさま方に、心よりお見舞い申し上げます。