2009年3月2日月曜日

平成21年 3月 

入選   三浦加奈子

〇じわじわと祖母の背後に迫る影何もできない我が身を責める

(講評)作者が幼い頃、認知症になった祖母のことを詠った。作者をいつも可愛がってくれた祖母の豹変ぶりに驚くとともに、当時何もできなかった自分の無力さと悔しさを綴った。「何もできない」に寂しい情感がある。

入選   松尾幸恵

〇実習で毎日喋るおばあちゃんだけど今日も初めまして

(講評)数時間経過すると記憶をなくしている認知症の利用者(高齢者)に、向き合っている作者である。「初めまして」の組み合わせが、たいへん効果的である。

入選   寺田理恵   

〇何一つうまくできない私にも向けてくれたねあなたの笑顔

(講評)実習先の利用者の学生に対する労りの眼差しであろう。作者にとって、感謝の気持ちで過ごせた1日となった。

入選   高橋かなえ

〇入浴後普段と違う表情で「いい湯だった」と笑顔をくれた

(講評)実習先で利用者の入浴介助をしている時に詠った。「いい湯だった」の表現が、入浴後の爽快さを物語っている。

以上、選評   土永典明

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

寺田さん。寺田さんの真心が利用者さんに通じていたのですね。

匿名 さんのコメント...

○松尾さんの短歌
 毎日接する認知症の利用者さんでありますが毎回初めましてという気持ちで実習に奮闘する松尾さんの姿勢に感嘆します。

匿名 さんのコメント...

○松尾さんの短歌
 毎日接する認知症の利用者さんに毎回初めましてという気持ちで実習に奮闘する松尾さんの姿勢に感嘆します。