入選 寺田理恵
〇親の出す介護疲れのため息は子どもの居場所奪うものなり
(講評)介護者を取り巻く家族に焦点を当てた作者の観察力の確かさを感じる。
入選 半間奈菜
〇久々に逢った曾祖母記憶なし優しさだけは前と変わらず
(講評)曾祖母の家を祖父と訪れた。曾祖母は家族の名前をすっかり忘れてしまっていたが、作者や祖父を気遣う優しさは以前のまま変わっていなかった。
入選 三浦加奈子
〇利用者と関わるたびに思うのは遠い施設の祖母の存在
(講評)施設実習で利用者と関わるたびに、遠方にいる祖母を想う作者である。
入選 品田麻衣
〇「がんばって」たった5文字の言葉でもそれが私の背中を押した
(講評)不安でいっぱいの初めての介護実習。そのような中、利用者や職員が励ましてくれた。
入選 金子広奈
〇初めての介護現場で立ち尽くす利用者さんが私の先生
(講評)車椅子介助でのトイレ誘導の場面である。とまどう作者に対して利用者が、どのように介助してほしいか説明してくれた。それが嬉しかった。
入選 石川順一
〇煩悩の夜は長くて我一人とても眠れず本を読むなり
(講評)いろいろと物思いに耽ると眠れぬ夜がある。そのような時には心静かに自分を見つめたり、本を取り出して読んでみようかなという気になる。
以上、選評 土永典明
2 件のコメント:
○品田さんの短歌について
ピンチの時、人生の先輩の一言で救われたことがありました。日頃から言葉を何気なく使っていますが、言葉って本当に大切なものですね。
寺田さん。将来、きっと介護者する家族の気持ちに寄り添える介護福祉士になれるよ!がんばってね。
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